群馬の山奥に極上のぬる湯があるらしい
群馬の温泉大好き♡なセキザキノアです。
これまでに四万温泉、沢渡温泉、伊香保温泉…と色々と群馬県内の温泉に行ってきました。
群馬の温泉の第一の特徴はなんと言っても東京から近くてアクセスがいいということ!
四万温泉なんか3時間くらいで行けちゃいますもんね〜♪
お前はまだグンマを知らない
…はい!?
長野県との県境の横川の山奥に知る人ぞ知る秘湯がある。そこへゆけ
は、はあ……
どうやらグンマちゃんネットの情報によると群馬県は横川市に”ぬる湯”の名湯があるそうな。
なんと宿まで続く山道は凄まじく、車でも30分もかかるそう。
Twitterや個人ブログを読み漁ると、どうやら霧積温泉という温泉地だそうで昔は栄えていたものの今は金湯館(きんとうかん)という旅館が一軒だけ取り残されたそうに存在するんだとか。
ペーパードライバーな私はそんな山道の悪路なんて絶対に運転できないのですが、どうやら調べたところによると最寄りのJR横川駅からは宿が送迎のバスを出してくれるとのこと。
これなら行けそうじゃーーん!!ってなわけで行ってきました、霧積温泉。
まあ、でも中々の秘境だったよね……
- 毎分300Lも溢れ出す極上のぬる湯がドバドバ掛け流し
- 電波もない!テレビも(たまに)映らない!非日常的な体験
- 伊藤博文が宿泊し明治憲法を起草した歴史のある宿
霧積温泉の金湯館に一人で宿泊
↑上述の通り、霧積温泉はいわゆる秘境にある温泉です。
しかも現存する旅館は1軒のみ。その1軒が金湯館さんなのですが、ここの歴史はとても古く、遠く明治の初期には伊藤博文らが宿泊し明治憲法の草案を作ったり、与謝野明子が宿泊したりしています(当時の部屋もまだ残っている)。
時代は下って昭和に入ると、森村誠一の大ヒット推理小説「人間の証明」の舞台にもなりました。
森村誠一氏が大学生であった当時、金湯館に宿泊しハイキングに出掛けました。山の頂きで宿のお弁当の包み紙に刷られていた、“母さん僕のあの帽子どうしたでせうね。ええ、夏碓氷から霧積へ行く道で渓谷へ落とした、あの麦わら帽子ですよ。。。”で始まる、西条八十の“帽子”の詩が目に留まり、それから20年以上経った、昭和50年代の初めに大ヒットした“人間の証明”を世に出すに至ったのです。
金湯館公式HP
と、とにかく歴史と話題に尽きない宿なのです。
今も昔もかなりアクセスの悪いところではあるのですが、それでも人々を魅了してやまない極上の”ぬる湯”。
これは期待が膨らみます。
【公共交通機関アクセス】★★★☆☆ 公共交通機関で来るなら宿の送迎はマスト!
さあ!みてくださいこのGoogleマップを!笑
……山のど真ん中やないか。
今まで私が何度も「アクセスが悪い」と言っていた理由がお分かりになったことでしょう。笑
霧積温泉金湯館へのアクセスは3つです。
- JR横川駅から宿の送迎バスを利用
- 自家用車で宿のある山の中腹まで行き、そこから送迎を頼む
- 自家用車で宿のある山の中腹まで行き、そこから「ホイホイ坂」と呼ぼれる山道を30分かけて登る
どの方法でも中々の難易度です。自家用車の場合、山の中腹までは自分で山道を運転することになりますが、この山がかなり道幅が狭くて対向車が来たらおよそすれ違うことはできません。
かなりのドライビングスキルは必要かと思います。
私はペーパードライバーなので無理せず①の横川駅からの送迎をチョイス
宿の予約をする際には公共交通手段で行く旨を記入すると、後日宿からメールで「13時57分に横川駅への送迎があります」との連絡をいただきました。(13時57分はちょうどJR信越本線が横川駅に着く時間です)
東京から普通電車を乗り継いでまずは高崎、それからJR信越本線に乗り換えて約30分でようやく横川駅に到着。
改札を抜けると金湯館と書かれたハイエースが止まっていました。
本日はここで私を含めて3人をピックアップして宿に向かいます。どうやら買い出しも含めていたらしく、野菜や食材たちと相乗りです笑
横川駅から金湯館までは40分。写真は撮っていないのですが、それはそれはすごい山道でした……
山道なのはもちろんのこと、一車線しかないので対向車が来たら終わり(一応退避ゾーンは要所要所に設けられている)、その道幅もめちゃんこ狭い…
道中、野生の鹿まで現れるという山奥っぷり。
とても自分の運転では来られない……
宿の送迎を頼んでおいて正解でした。車で行く方も、運転に自信がなければ送迎をお願いした方が無難かもしれません。
送迎バスを降りて、目に入るのは赤い橋を持つ立派な建物。これが金湯館です。
こんな山奥によくこんな立派な建物を建てたなあと感動。
建物は明治に建てられ、改修改修で大切に使っているそうです。
玄関を入ったところ。趣が、ありすぎる…!
この宿に泊まった歴代の有名人の展示パネル。
チェックインを済ませてお部屋まで案内していただきます。
私が今回宿泊するのは比較的新しい別館。フロントから別館・お風呂に続く道も趣がありすぎる…
大正レトロとは違いますが、歴史とロマンを感じさせる造りです。非日常感に胸の鼓動が収まりません…!
【部屋】★★★☆☆ トイレ・洗面台は共用、部屋風呂はなし。9月でもファンヒーターが!
今回宿泊したのは別館の2階のお部屋です。縦型のちょっと変わった作り。
トイレ、洗面台は共用です。もちろん部屋風呂はありません。
お布団はすでに敷いてありました。全体として田舎の親戚のおうちに泊まりに来たような感覚の雰囲気。
9月ですがファンヒーターが!東京は残暑だというのに、標高1000メートルにある霧積はもう朝晩は冷えるのです。
ポットはには熱いお湯がいっぱいに入っていました。ちなみに翌朝の朝食時に新しいポット&お茶セットに変えてくれます。こういう気遣いがめっちゃ嬉しい〜〜。
お菓子は磯部せんべいです。ここまで来るのにかなり時間がかかってお腹ペコペコだったのですぐにいただきましたが中にクリームが挟まれていてとてもおいしかったです。
アメニティはフェイスタオルと歯ブラシ、そしてバスタオル。フェイスタオルにプリントされているランプがいい感じ☆
お部屋全体の印象としては古いけど快適に保たれているな、といった感じ。
どこもかしこもピッカピカというわけではなくて、古さは否めませんし旅館というよりは”親戚の家”感がありますがだからこそのんびりできると思いました。
テーブルの上には飲み物のメニューが。
部屋からの景色。右下に見えている赤い屋根の建物にお風呂があります。
一つ気になったのはお部屋に鍵がないこと。つまりお風呂に行く時もトイレに行く時も部屋に鍵はかけられないのです。
金庫もありません。
物が盗まれたりしないのか?と不安になりますが、おそらくこれまでも盗難などはなかったのでしょうね。
この鍵なしシステムが継続できているのは宿泊客のモラルというか民度が高いからなのかなあ…(というか人の物を盗まないという当たり前のことですよね)
実際、この宿の泊まりにくるのはかなりの温泉好きな人に限定されると思います。
温泉好きに悪い人はいないってことなのか?
もしも気になる方は自分で南京錠などを買って持参するといいかもしれませんね。
《浴衣チェック》ふつ〜の浴衣で残念!
残念!浴衣は市販されている一般的な温泉浴衣でした。
せっかくこんな秘湯まで泊まりに来たから「金湯館」のロゴがあったらテンション上がったなあ。
《Wi-Fiチェック》Wi-Fiはありません。というか電波はほとんど入りません
HPにも記載されていることですが金湯館は山奥の一軒宿なので、電波はdocomo以外入りません。
と、思ったら私の楽天モバイルは普通に繋がりました。YouTubeで動画を見るくらいは余裕でできました。
Wi-Fiもありません。
えー、不便。と思わずに、ネットが通じないことも非日常として楽しみましょう。
《布団チェック》敷布団まさかの3枚。親戚の家の布団って感じ
チェックインの段階でお布団は敷いてありました。
お布団は敷布団が3枚です。安い旅館って煎餅布団が一枚だったりし背中が痛くなりがちなのでありがたいです。
なんだか全体的に田舎の親戚の家に泊まりに行った時の布団って感じですね笑
霧積温泉は山奥で朝晩は冷えるので夏でも冬用の掛け布団はマストです!
【温泉】★★★★★ 源泉掛け流しの内湯が一つのみ。入っていると泡がみっちり付くぬる湯は何時間でも入っていられそう!
今回の旅の一番の目的”極上のぬる湯”
最近行った熱海の竜宮閣も伊東の梅屋旅館も熱〜い温泉ばかりだったので久々のぬる湯に心が躍ります。
さて、霧積温泉 金湯館のお風呂はもちろん源泉かけ流し。毎分300リットルもの温泉が湧き出しています。
昔は他にも旅館があったのでこのお湯を分けて使っていたわけですが、今は霧積温泉の旅館は金湯館1軒だけになってしまったので300リットルを独占しています!なので以前よりも泉質が向上したとか。
お風呂は本館の端っこにあります。別館からもすぐの場所です。
\ちょっと暗めの脱衣所/
非常に簡素な脱衣所で化粧水とか乳液とかはありません。最近は旅館でもそういうそういうところ多いですね。
ドライヤーはテスコムのwindy。風量は弱め。私と同じ毛量多い属の方は自分でドライヤーを持参した方がいいかもしれません。
ではいざ浴室へ。
お風呂は昭和なタイル貼りです。お湯が!ドバドバと溢れ出ている!
これは最近見た源泉かけ流しの中でもかなりのドバドバ具合!
シャワーはありません。体と髪を洗う際は蛇口からお湯(温泉です)を汲んで流します。
ボディーソープとリンスインシャンプーがありました。
体を洗って、ではいざお風呂に……!
\う〜〜〜ん!!きもちい〜ー!!/
ほのかな硫黄の香りがふわっと鼻をくすぐります。
ぬる湯なので一気に肩まで浸かることもできます。
お湯は少しトロッとしていて肌にまとわりつく感じです。化粧水のようともいえますね!
そしてしばらくお湯の中でじっとしていると身体中に細かーい泡がたくさん付くんです!
写真では伝わりづらいのが残念…私は脱毛しているので泡はつきづらいのですが、それでもたくさんの泡が身体中を覆います。払っても払ってもすぐに全身泡泡に…素敵。
飲泉もできるとのことで飲んでみましょう。
コップを使う勇気はないので手ですくっていただきます。
癖のないお湯でとても飲みやすい。今まで飲泉は四万温泉が一番飲みやすいと思っていましたが、これは霧積に軍配が上がります。本当に飲みやすい。
飲泉できるってことは温泉が相当フレッシュってことの証明ですよね。
ぬる湯だから長時間入っていられるし、体を半分出しての半身浴も気持ちいい。
そして本当に湯量が多くてドバドバとかけ流されていく温泉……床のタイルを覆うくらいに溢れ出します。
ぬる湯だとお風呂から上がった後も汗をかいたり、のぼせて頭がぼーっとしたりしないのがいいところ
さて、風呂上がりには水分補給に「岩清水」をいただきましょう。
こちらは山のお水なのですが、ものすごい勢いでザーザーに流されています。
ちなみに蛇口はないので、止めることはできません笑
冷たくて本当に美味しい!水が美味しい幸せってありますよね。
グンマちゃんのコップが置かれていますが、隣に使い捨ての紙コップもあるのでご安心を!笑
風呂上がりの外の散歩も気持ちよかったです。
【食事】★★★☆☆ 山の幸がふんだんに使われた食事。天ぷらとでっかい豚汁が超美味しい!
夕食
金湯館さんは部屋食なのでのんびり食べられるのがいいところ。
大広間での食事だと一人旅だと他の人の目が気になるって方には部屋食はいいですよね。(私はあんまり気にならないけど)
\山の幸ドーーーン/
いや、天ぷらと豚汁の大きさよ!笑
箸袋には西条八十の「帽子」の詩がプリントされています。先述の森村誠一は学生時代に金湯館に宿泊し、おにぎりの包み紙に書いてあったこの詩をきっかけにベストセラー「人間の証明」の構想を思いついたとか。
こちらが金湯館名物の天ぷら。おくら、なす、エノキ…といった馴染みのあるものから「この草は何?」な山草まで笑
ボリューム満点!サックサクでおいしかったです。
金湯館名物その2。でっかい豚汁!
ごぼうやにんじんはもちろん、かぼちゃにキクラゲと具沢山でこれがまた美味しい!
かなりの大きさで驚きましたがぺろりと完食!
山魚の焼き物。多分イワナかな?(魚に関して無知です)
茗荷の甘酢漬けと一緒に食べるとめっちゃ美味しい!
小鉢たち。キクラゲの煮物は初めて食べました!
食感がコリコリしていて美味です。
群馬といえばの刺身こんにゃく!紫蘇の風味がして美味しい。
お肉などはありませんでしたが、メインが天ぷらということでかなりお腹いっぱいな夕食でした!
朝食
朝食も部屋食です。配膳のタイミングで部屋に置いてあるポットを熱いものに取り替えてくれます。
朝食も山の幸がたっぷり!
ご飯は小さめのお櫃でもらうのですが、おかずが美味しくてご飯が進みます!
朝食のお味噌汁は普通のサイズです笑
そういえば、朝方から何だか寒いな〜と思って部屋のファンヒーターをつけていたのですが、外にある温度計をみたら朝8時くらいで14度しかありませんでした(9月です)。
こりゃ寒いわ。
朝食をいただいた後はまたお風呂に入ったり散歩をしたりして、10時の送迎のバスで横川駅まで送っていただきました。
山奥での非日常的な滞在でした
【宿泊料金】★★★☆☆ 山奥なので割高なのは仕方ない!
私が宿泊した時は公式HPからの予約が最安値で一人で別館に泊まって1泊2食付きで13350円でした(入湯税含む)。
正直、ちょっと割高感があるなというのが正直な感想です。お部屋や食事内容を考えると、平地の温泉街にあるなら1万円くらいだろうな、と。
ただ、前述の通り山奥にあって買い出しも大変ですし、駅までの無料送迎もしてくださるのでそれを考えれば妥当な値段だと思います。
- 宿泊費(一泊二食付き) 13350円(入湯税含む)
- 往復交通費(東京駅〜横川駅、普通電車) 4620円
合計 17970円
【一人旅オススメ度】★★★☆☆ 温泉好きなら一度は行きたい宿。山での不便に耐えられる人向け
【総合点】
ぬる湯は噂に違わぬ極上の泉質でした。本当に何時間でも浸かっていられそう…お肌がツルツルになって柔らかくなった気がします。ご飯も美味しかったですし、山奥という環境を存分に堪能できる宿でした。秘境感はMAXです。
ただ、やはり山の宿なので不便はあります。先述のネットが使えないことに加えて、テレビの電波が悪いこともあります。また山なのでとにかく虫は多いです。部屋にはいませんでしたが、水回りなどにはかなり虫は多かったです。宿の方も頻繁に掃除はしてくださってはいますが、それを上回る勢いで虫がでます笑。家族経営なので掃除も手が回っていないところも多いです。
「温泉が好き!泉質が良ければ他はあまり気にならない!」というマニアにはたまらない宿です。
本当にお風呂は素晴らしいということを強調させてください!
アクセスのしやすさ
かなりの山奥&秘境です。駅からの送迎があるので公共交通機関だけでもアクセス可能です。
料金
山の上なので割高感は仕方ない!
部屋
親戚のおうちに来た感じのお部屋。夏でも寒いのでファンヒーターがあり、なんだか楽しい笑
温泉
文句の付け所がない極上のぬる湯。
食事
天ぷらメインの夕食はボリューム満点!下手に冷凍のお刺身なんかを出さず、山の幸一本で勝負している気概が素晴らしい。
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